2003年9月1日月曜日

卵のなかみ100回記念(5)日本経済 2003.9.X 初出

・日本経済

日本経済をマクロで見た場合
ほとんどいい事がなかったりします。
銀行は相変わらず不良債権を抱えているし
雇用を生み出すような新産業が起ち上がったという
話も聞きません。
銀行に預金を預けても金利は、0。
それなのに預けたお金を引き落とす度に
手数料を取られるのだから
いっそタンス預金の方がいいのでは
なんて人も増えてきました。
中小企業が融資の申し込みをしても
銀行が融資をしてくれないという所謂、貸し渋り問題、も
相変わらずのようです。

経済の根幹を成すはずの銀行がまったく
機能していなくて
日本経済を人体に例えれば、心臓が弱まっているので
血の巡りが悪くなってしまっている、という危機的状態です。
銀行の頭取さん達は、時価会計基準の導入に根を上げて
ゲームの途中でルールが変わるスポーツだ、と嘆いてばかり。

で、頼みのIT革命は、となると
これは今のところ中間業者抜き
中間管理職抜きの、いわゆる、中抜き、の
役割しか果たしていなくて
むしろデフレ要因になっていたりする。
現在日本経済をマクロで見ると
全くいいところなしです。

ではミクロではどうか、と目を向けてみると
IT技術で徹底した中抜きを行って
営業マンまで廃止し、オンライン取引に特化して
証券業界で一人勝ちしている松井証券が
目につきます。
松井証券の松井道夫社長は、業界のエイリアン、と
呼ばれているそうです。エイリアン、宇宙人です。
宇宙人、松井道夫社長によれば
現在マーケットにおいて
天動説から地動説への変化が
起きているのだとの事です。
つまりコペルニクス的変換が起きている、と。

かつては企業の都合で商品を作って
それを消費者に売るという、いわゆる企業による
顧客の囲い込みが常識でした。
それを天動説とすれば
これからは消費者の都合で企業が選ばれるという
地動説の時代になるのだ、との事。
これは価値観の大転換で、まさに全てがひっくり
返ってしまうコペルニクス的転換です。

振り返ってみると確かに
僕の子供のころは、企業によって
今、これが流行ですよ、と囲い込まれて
買わされていた、という感じがします。
TVCMで大々的にあおられると
日本人はみんな一緒、という1940年体制的ノリも
あったので、その商品を持ってないと
仲間外れになってしまう、という恐怖もありました。
インターネットもフリマもなかったので
値段も企業が自由に上下できていました。
まさに企業による顧客の囲い込み、状態でした。

で、松井道夫社長がコペルニクス的転換が
起きたとする2003年現在の状況を見てみると
日本人はみんな一緒、の時代が終わって
個人の時代、価値観の多様化の時代に
なってきているので
TVCMその他でいくら、流行ってますよ、と煽られても、
買わなきゃ、という脅迫観念まではもう作れないような気がします。
そもそもプロ野球の巨人戦の枠にTVCMを打っても
月曜9時のドラマ枠にTVCMを打っても
スカパーしか観ない、とか
セリエAしか観ない、という人が増えてしまったので
囲い込もうにも囲い込めなかったりします。
それに加えてインターネットその他で
消費者も情報的に武装できるようになったので
企業の都合で価格を上下する事も難しくなって
きています。
もうマス・マーケティングは成立しないという事かもしれません。
メガヒット、という現象も、90年代で最後になるでしょう。
まさにコペルニクス的転換。
天動説から地動説へ。

98~2002年を境にして、あらゆる分野で
ベクトルが逆に動き始めたという僕の
仮説は、結構妥当性があるような気がしてきました。
ちなみにこの時期、太陽系では占星学的に言って
魚座から水瓶座への移行が起きていますが
やはり関係があるのかな……などと
乙女チックな僕は妄想してしまいます。

現在日本経済をマクロで観ると
ほとんどいいところがありませんが
ミクロレベルでは、次の時代の可能性を感じさせる
動きが出てきているようです。

今、元気なのは、かつてエイリアンとか変人と
呼ばれていた人ばかりのような気がします。
小泉首相も、永田町の変人、でした。
変人、変わり者、エイリアン、宇宙人、万歳!

宇宙人の逆襲、が始まっているのかもしれません。
唯一それが明るい話題のような気がします。


参考 


数字は嘘をつかないが嘘つきが数字をつくる 失業率と実失業率
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/20036_8931.html
数字は嘘をつかないが嘘つきが数字をつくる 視聴率と実視聴率
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/20036_496.html
ベクトル
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/20037_9198.html






-卵のなかみ100回記念(6)NO FUTURE IN JAPAN!?へ続く-
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/100620039.html