2003年6月1日日曜日

数字は嘘をつかないが嘘つきが数字を作る 失業率と実失業率 2003.6.X 初出

某政府系メールマガジンによると
若年層の失業率が12パーセントに
なってしまった事に対して
対策を立てました、との事。

僕は始め、十人に一人が失業なら
まだ余裕かな、と思ったのです。
欧州の先進国でも軒並み
失業率10パーセントの時代が
あったようだし……でも待てよ、と
僕はそこである格言を思い出しました。

数字は嘘をつかないが
嘘つきが数字を作る。

二十代前半の友人に話を聞くとたいてい
同級生のほとんどはまともに就職できて
いない、と話します。
まともに就職できたのは自衛隊に行った人
くらいで、後は大学に留年したりして
誤魔化している、と。
失業率12パーセントでそんな事態に
なるのだろうか?

これはクサい、と思った僕は
失業率算出方法を調べてみました。
結果はクロでした。

ものの本によると
日本の失業率というのは
ハローワークに登録していない人や
アルバイト、フリーター、パラサイトシングル
引きこもり、新卒無業……等は含まれないとの事。
ではアルバイト、フリーター、パラサイトシングル
引きこもり、新卒無業……をカウントしたら
若年層の実失業率は何パーセントになるのだろう。
僕はちょっと考えたくないような気がしますが
15? 20? 25? 30パーセントくらいは
行ってるのだろうか。
5人に一人、4人に一人
或いは3人に一人にまともな職がない!?
相当ヤバい状況なのではないだろうか。
地域によっては、若年層の仕事はほとんどゼロです
という地域もあるのではないだろうか。
これは本当に相当ヤバい状況なのではないだろうか。

僕も二十代前半にフリーターのような
暮らしをしていた時期があって
その時は年配の人達に
若いっていいねえ、とか
バイト生活は気楽でいいね、とか
逆に
フリーターはケシカらん、とか
好き勝手なことを言われていました。
あんたらの時は楽だっただろ! と
言い返したかったのですが
例によって気の弱い僕は
微笑み返すだけで反論する事もできずに
フラストレーションを溜めて
いた事を覚えています。
そういった事態が今日本中で起きているのかも
しれません。
これはえらいことです。

ちなみにちょっと古い資料になりますが
イギリスではアルバイト層に対して
日本の生活保護にあたる収入補てんが
支払われていたとの事。
ブレア政権になってからは締め付けが
厳しくなったらしい、との事ですが
それでも職にあぶれた人に対して
手厚い保護を感じます。
でも現在日本政府には金がないから
それも無理。

某政府系メールマガジンを読んで
若年層の失業率が12パーセントに
なっていよいよ欧州並みの失業率10パーセント
社会がきたか、などと思った僕が馬鹿でした。
実際は欧州よりひどい状況かもしれません。

数字は嘘をつかないが
嘘つきが数字をつくる 失業率と実失業率