2003年6月1日日曜日

宮城県近代美術館 その2 2003.6.X 初出

宮城県近代美術館の
白壁と明るい照明の常設展を
歩きながら
では、近代美術でなく
中世の美術はどうだったのだろう、と
僕は思いました。

よく言われるように中世は闇の世界で
明るい照明などなかったわけで
(明るい照明は白熱電球を発明した
トーマス・エジソンのおかげ)
当時の美術品は闇を前提として
造られていたわけです。
谷崎潤一郎の陰翳礼賛という本に
その話が出てくるのですが
中世は闇の世界だったから
中世の美術品、特に日本の中世美術品は
薄暗いところに置いた方が引き立つ、のだ
そうです。
確かに僕も修学旅行(今もあるのだろうか? )で
京都や奈良に行った時
たくさんの中世の仏教美術品を観ましたが
そういうものはたいてい薄暗いところに
置かれていて、ちょっとゾッとする
美しさがありました。
観音様が何百体も薄暗い空間にたたずんで
いるさまは、圧巻です。

というわけで僕は
やはり宮城県近代美術館は
宮城県中世美術館ではなく
宮城県近代美術館だ、という
事を発見したのです。
次回、やっと美術品の話に入ります。


-宮城県近代美術館その3、へ続くー
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2003/06/320036.html