2003年11月1日土曜日

7%理論(3)マス・マーケティングの危機 2003.11.X 初出

今では日本人の必須となってしまった感すらある
パーソナルコンピュータ、PC、いわゆる
パソコンも、ほんの5.6年前までは
オタク趣味、とされるような雰囲気が
残っていました。

パソコンやデジタル機器は、
格好いい、セクシーだ、という雰囲気になったのは
パソコンやデジタル機器のTVCMに
木村拓也さんや藤原紀香さん
或いは、サッカーの中田英寿選手であるとか
高倉健さんなどが出演するようになってからです。

それはおそらく広告会社の努力によって
パソコンやデジタル機器が
まず全消費者のうち7%にまで普及し(この層を
昔は、新し物好き、と言っていたような気がします)
それに伴って、その、新し物好き、が手にしている
パソコンやデジタル機器を
それぞれの交友関係にある13~14人の
人々が目にして、おっ、と思ったので
パソコンやデジタル機器は
日本人の91~98パーセントが知っている
或いは、持っている、メガヒット商品、と
なったのだと思います。
今では、パソコンやデジタル機器を
オタク趣味、という人はいないでしょう。

と、この辺までは、戦後日本の繁栄を
支えてきた大量生産・大量消費のもとでの
マス・マーケティングの方程式
黄金の7%理論でカバーできたのですが
その後大変なことが起きてしまったのです。

インターネットに接続された
パソコンやデジタル機器は
個人ベースでの情報発信を可能にして
しまったので、メガヒットを作り出す
大手にとってはおいしい、黄金の7%理論、の構造が
壊れてしまったのです。

つまり、情報の発信源を支配して
消費者を囲い込んでおいた上で
新し物好きの7%にまず持たせ
その口コミで91~98%の人が知るような
メガヒット商品に持っていく、という手法が
通じなくなってしまったのです。

僕の感覚では、ここ2、3年
メガヒット、が全く登場していないような
気がしますがどうでしょう。
(あ、ハリーポッター、がありましたね
次は、卵のなかみ、です、フフフ……)

そしてインターネットは加入者が
増えれば増えるほど、価値観の多様化、を
進めていきます。
たぶん、マス・マーケティング、は
もう復活しないような気がします。

自分で自分の首を絞めるような商品を
大手企業や広告会社は、黄金の7%理論を
用いて普及させてしまったわけです。



-7%理論(4)へ続く-
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/4200311.html