小説とは何か。
手元の三省堂大辞林によると
坪内逍遥が、小説神髄、で、ノベル、の訳語として
小説、を用いた、とあります。
僕は少しガッテンしました。
国文学の世界において、官を大とし
民を小とする、官尊民卑、の思想から
官僚の編纂したものを、大説
民間説話・伝説の記録を、小説、としていたところに
西洋文明から、ノベル、という概念が
流入してきたので、その訳語として、小説、を当てはめたのだな、と。
たぶんそうだ。
きっとそうだ。
絶対にそうだ。
ちなみに英語では、小説のもっとも小説らしい部分を
フィクション、と呼ぶらしいですが
これは日本語の語感とは少し異なります。
日本語化した、フィクション、と言えば
作り話、という感じがします。
ノンフィクション、というと、事実を書きました、という感じがしますが、
やはり英語と日本語は微妙に違うのだな、と改めて認識させられてしまいます。
明治の近代化の時期には、坪内逍遥や福沢諭吉などの
先生達が、そういった英語圏の文化の背景にまで
想像力を働かせながら新概念を日本語に訳していったのでしょう。
ですが現代は新概念の流入のスピードが速すぎて
カタカナ語だけで済ませてしまうしかない、という状況のように思います。
お年寄り方からは、最近世の中カタカナ語ばかりで
何が何だか分からない、と言った声も聞こえてきます。
困ったものです。
-小説とは何か(3)へ続く-
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