2003年9月1日月曜日

卵のなかみ100回記念(3)世界では何が起きているか 2003.9.X 初出

・世界では何が起きているか

1991年のソビエト連邦の崩壊によって
資本主義VS共産主義の対立、いわゆる、冷戦、が
終了してから10年が経ちました。
日本のバブル崩壊が1991年で、その後の10年間を
失われた10年と呼んだりしますが
要は日本はバブル経済の余韻に浸っている間に
冷戦後の世界の変化から取り残されてしまったわけです。

で、冷戦後の世界はどちらに向かうのか、というのも
だんだんと見えるようになってきていて
一つは、自由と民主主義という価値を
市場経済を通してグローバルに普遍化していく事で
歴史の終焉、がもたらされるという、
歴史の終焉ライン。
もう一つは、冷戦の圧力から解放された各民族が
エスノセントリック(自民族中心主義)を
発揮して、文明の衝突、へ至るという、
文明の衝突ラインです。
世界は、歴史の終焉、に向かうのか
文明の衝突、へ向かうのか、というのが
現在の世界の状況です。

そして日本は、冷戦が終了したにもかかわらず
アメリカについていく事にしました。
つまり自由と民主主義という価値を
市場経済を通してグローバルに普遍化していく
歴史の終焉ラインを選択したわけです。

でも実際には世界は、文明の衝突、に
向かっている部分もあって、
ヨーロッパは文明的同一性の下、過去の対立を
超えてユーロ圏を築いてしまいましたし
アジアでは中国が中華圏構想を練り始めています。
中東やアラブ諸国では、イスラム教の下でのまとまりが
できつつあります。

そういった状況の中で日本政府は
アメリカ政府の国連決議を無視したイラク攻撃に対して
賛成してしまいました。
つまり日本政府は、文明の衝突ラインで考えれば
既にイスラム圏を敵に回してしまった事になります。
歴史の終焉ラインで考えてみても
自由と民主主義を市場経済を通じて
グローバルに展開していくはずのアメリカ政府が
国連という一応は民主的な機関の決議を
無視して他国へ武力攻撃を加えるというのは
大変な自己矛盾です。

そしてそういう覇権国アメリカの姿を、
世界は見ています。
世界は、文明の衝突、へ向かうかもしれません。


参考

グローバルリテラシー Thinkglobally ,Write locally
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/think-globallywrite-locally20037.html








-卵のなかみ100回記念(4)
 日本では何が起きているかに続く-
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/100420039.html