2003年9月1日月曜日

卵のなかみ100回記念(1)NO FUTURE I N JAPAN!? 2003.9.X 初出

・NO FUTURE I N JAPAN!?

卵のなかみ、も早いもので100回を超えました。
どういうわけか広い宇宙の数ある一つ
蒼い地球の広い世界で
ひょんな事から、卵のなかみ、を始めることに
なったわけですが
本当にこのエッセイを書き始めてよかったな、と
思っています。
毎回分野問わず自由に書かせてもらったおかげで
自分の小説のテーマも
今この国で起こり始めている変化の概要も
だんだんと見えるようになってきました。

僕がなんとか現代の状況を把握しようとして
書いているこのエッセイの中から
読んでくれるみなさんが一箇所か二箇所でも
あ、そうかもしれないな、という部分を
拾って生活に役立ててもらえたら最高に
嬉しいな、と思います。

で、100本書いてきてみたものを
パラパラと振り返ってみると
ずいぶんネガティブな話題が多いな、ということに
気がつきました。
やはり現代は暗い時代なのだな、と自分で
書いておきながら実感してしまいます。
それって結構大切で、日本が人類史上稀にみる
好景気に湧いていた1980年代の小説なり
エッセイなりに目を通してみると
たいてい異様に明るくて驚いてしまいます。
悩みと言えば恋愛の悩みくらいです。
あまりに景気が良過ぎて
貧乏に憧れる人まで出てきたのか
オレ達ひょうきん族という番組では
Mr.オクレというタレントさんが
涙の貧乏、というネタをやってウケたりしていましたし
一杯のかけそば、という絵本が売れたりも
しました。
現代は貧乏ネタをやろうとしても
明日はわが身、という不安を多くの人が抱えて
いるので、ちょっと笑えないような気がします。
何を言いたいのかというと
あらゆる表現は、その時代の政治経済状況から
自由ではないという事です。
世界の文学の年表を見てみても、その下にたいてい
世界史に残る政治経済事件のトピックスがついて
います。

現代はやはり暗いし
犯罪の凶悪化などを見ていると、
むしろ、ヤバい、という表現の方が適切ではないか、と思ってしまいます。
敗戦後の混乱を知る人に話を聞いてみても
今ほど殺伐とはしていなかったそうです。
現代はそれくらい、ヤバい。
今の時代何の根拠もなく異様に明るい人を見ると
逆に大丈夫かな、と思ってしまいます。

でもこんな時代に生まれてきてしまったのだから
仕方がないし、なんとか突破口を探さなくては
いけないわけです。

で、そのものずばり、卵のなかみ100回を記念して
NO FUTURE IN JAPAN!?
というタイトルを掲げてみたわけです。
実に相当ヤバい時代状況ですが
本当に日本に未来はないのだろうか、と。
僕は卵のなかみを100本書いてきて
それを探ってきたような気がしますが
今日はそれをある程度体系的にまとめて
みたいと思います。



-卵のなかみ100回記念(2)
宇宙では何が起きているかに続く-
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/100220039.html